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たまに面白いことをいうブログです

ネットで知り合った同世代の友人が虹の橋を渡った

ネット上で知り合い、リアルで飲みに行くことになったので作ったLINEグループがある。同世代ばかりなので自嘲気味に「おっさんず」という名前にした。そこではネットには書かないプライベートなことも共有したり、実際に会うのは年に1度か2度くらいだけどLINEでしょっちゅうどうでもいい話をしたり、全員がIT系なのもあってネットで話題なことをああだこうだと言い合ったり、突然遊びに行くぞと宣言してどこか行ったりしている。大人になってからできる友人というのは得難い存在で、それが同世代なら尚更だ。

彼と初めて会ったのはいつの頃だったか。Twitterで知り合った友人に「あの人とよくやり取りするようだから是非紹介してほしい、一度会ってみたい」と伝えて紹介してもらった。2011年くらいの事だろうか。そのようにして彼は「おっさんず」最後のメンバーとなった。

彼はブログを書くといつも感想を伝えてくれるし、褒めてくれた。ブログを書いていると実は感想を直接言われることは少ない。彼は優しく、思いやりがあり、言葉を選んで、くだらない話に付き合ってくれた。思いついたらわーっと盛り上げるタイプの自分とは違い、一旦受け止めて的確に鋭く面白いツッコミをするタイプだ。頭がいい人だなといつも思っていた。

彼は酒が飲めないのだけど飲み会には必ず参加するし、我が家で開く気まぐれなホームパーティーにも来てくれた。物静かだが、酔っぱらいが盛り上がるどうでもいい話に一言ツッコミを入れてその場の笑いをかっさらっていく。「シラフだろ、ずるいぞ!」と更に盛り上がってしまうことも多々あった。新年会だ忘年会だ何とか祝いだと言っては、おっさん世代にハマる店に行った。


訃報を聞いたのは1月中旬だった。事故だという。突然のことで、本当に信じられなかった。お葬式には、友人代表としてグループの一人が参加するという。代表でまとめて香典と手紙を持っていってもらうことになり、LINE Payで送金をした。「こんな悲しいLINE Payの使い方ってあるかよ」と泣けてきた。

そういえば、と皆で撮った写真を共有した。静かに微笑む彼の表情を見て、また泣けてくる。「よかったらご家族に渡してはどうか」という話になり、各々が持っている写真を集めた。Google Photosの顔認識が優秀すぎて30分もしないうちにかなり集まった。「テクノロジーありがとう。でも故人の写真を集めるノウハウ、あまり活用したくないな」と、何をしても悲しい気持ちがこみ上げる。夜中の2時だった。

お葬式の日は土曜で、自分は仕事で講演があったけれど「終わったら忘年会で行った店で飲まないか」と皆を誘った。お店の方にお願いしてあの日と同じ席につき、つい1ヶ月前にここで飲んだじゃないかと話しながら、彼の席にはコーラと写真を置いた。お葬式の様子や、インターネットではない素の彼の話を聞いた。

そろそろ帰るか、と言ったのは飲み始めてから7時間経った頃だった。かなり飲んだのもあって「忘年会でも新年会でもなく、命日という新たな記念日を勝手に作りやがって許さんぞまったく」と、最後は少し笑えた。

向こうでも元気にやってほしい。向こうにもTwitterがあるといいのだけど。
niji