前に違うとこで書いたのを転載。
続きも書いたよ。
941::blog : 美しく華麗なキャロムビリヤードの世界

このショットを知らずしてビリヤードを語るなかれ!!!
「この1球!」というショットを紹介しまうす。


を別窓で見るか、一通り見てから解説見るか、解説みてから動画見て下さい。


1995年に行われたSands Regency Classicでの決勝戦。
"マジシャン"という異名を持つ手球コントロールの神「エフレン・バタ・レイズ」
対するは"ザ・パール"と呼ばれる「アール・ストリックランド」
いずれも世界最高峰の名選手。

13セット先取りで12-12のヒルヒル状態でどちらかが9番を入れれば勝ち。
動画が始まるのは5番からだが、5番を入れるにはコースがないので
5番に手球を厚く当てて6番の裏に手球を残し5番を2クッションで逆側の
短クッションに残すセーフティを選択したレイズ。
理想としてはたぶんこんなかんじ。
1


しかし、手球のコントロールは完璧だったが、5番が走りすぎて8番にあたり
8番がポケットインしてしまう絶対絶命の大ピンチ。
2


次の5番を直接狙うには6番が目の前にあるので無理。
右の長クッションから空クッションを入れるのも6番が邪魔している。
手前の短クッションからいっても当てるだけで精一杯。

通常であればこういった形になると5番に当てることはほぼ不可能。
それを見て天を仰ぎ歓喜するストリックランド。
「まいったなぁ」とポリポリといつものポーズで考えるレイズ。


長考の末、レイズが放ったショットは右長→左長と空クッションを2回
入れて的球にあてるZクッションと呼ばれるショット。(別名ハタオリ)

6番にあたらないようギリギリの厚みで単純に真ん中を撞くとこのような
角度となってしまい5番には当たりすらしない。
最悪の場合、3クッションしたあとに左上コーナーポケットに
スクラッチしてしまう可能性もある。
3


実際にレイズが放ったショットは撞点やや上で左を撞いている。
ヒネリを加えることにより第一クッションに入ったあと入射角に対して
手球が鈍角にカーブを描き、5番をポケットインできる唯一のコースになる。
さらに、順のヒネリは第二クッションに入る時には逆ヒネリとなるので
手球は魔法のように減速し、ラインも若干変わる。
図でいうと赤い線がヒネリの影響を受けてカーブしている箇所。
4


5番を入れたあとの手球は6番に対してキッチリとポジション。
大歓声に包まれる会場。拳を突き上げ喜ぶレイズ。

このショットがスゴイのは単純に当てるだけでなく
『イレに行っている』ということと
『イレた後のポジションを考えている』という2点。
多少ずれたとしても手球は短クッション側に残り、5番はイレのない
状態で残っていただろう。5番にうまくあたって入れば「球なり」で
6番へのポジションも決まる。6番は穴に近いので、入れるためのコースは
隠れようもない。この複合的な要素を瞬時に判断し、迷わず選択し
一発で決めてしまうレイズはやはり"マジシャン"だ。

その後、6番・7番を沈め9番にポジションした時
どんなにカンタンなショットでもOKを出さないことで有名な
ストリックランドがOKを出して試合は終わる。ん〜、ニクイ。


レイズがスゴイなぁと思うのは、このショットも勿論そうなんだけど
$10,000の賞金がかかった決勝でのスーパーショットを放った後に
一呼吸おいて一度キューを拭きに自席に戻るってところ。
この呼吸の置き方はなかなか出来ない・・。

で、やってみた。だいぶかかった。



漫画とかだと、ド派手なジャンプショットとか手球が
割れちゃうくらいの冗談としか思えないショットがビシバシ
出てくるけどもそんなものはありえないわけで
真のスーパーショットとはこういう極限の状態での
難球を沈めるショットを指すのだよ!
というところで今回はおしまい。


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