ゆうすけ繋がりで仲良くしてもらっているyusukebe氏が本を出したらしく、献本いただいた。
君のラジオとかボケてとかが最近だと有名なのかな?

で、スケベなのに爽やかすぎる表紙なのだけど、これ。

Webサービスのつくり方 ~「新しい」を生み出すための33のエッセイ (Software Design plus)
Webサービスのつくり方 ~「新しい」を生み出すための33のエッセイ (Software Design plus)
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彼については数年前に技術系のイベントで初めて顔を合わせた気がする。
自分はイベントを運営する側でそういった場に参加していて、彼はエンジニアとして参加を
していたような気がする。誰かに「櫛井さんはイベントとかやる人ですよ」と紹介され、まぁ普通に
「はじめましてー、こんな会社でこんな事をしてる櫛井と言いますー」と自己紹介したら、まぁとにかく
色々な細かいところをガンガン質問されて、聞いてもいないのに「こういうイベントとか今度やりたくて」
とか言われて、まぁ感想としては「すげえコミュ力高い人だな」と思った。

個人的に、コミュニケーション能力が高い人というのは意思の疎通が上手な人を指すのではなく
どうやってでも自分がしたいことを相手に伝えて感染させてしまう能力だと思ってる。
こう書くとジョジョのスタンド能力みたいだけど。なんかそういうパワーを持ってる人が世の中にはいる。
そして彼も、yusukebe氏も間違いなくその能力を兼ね備えてる。そして貪欲だ。この貪欲さというのも
何かを作り出すということに必要不可欠だと思う。

世の中はじつは結構満ち足りている。普通に暮らしていく分には、普通にしていれば、普通に生きていける。
けれど、何かを生み出したい、生み出さずにはいられない人たちは常に改善や新しいアイデアを持っている。
「もっとこうならいいのに」「どうしてこういうものが無いんだろう」常にそう思っている。
生きるということ、もっと人生を味わいたいということに対して、とても貪欲だ。
彼が世に出しているものは「俺がいいと思ったものを作った」という雰囲気をよく感じる。
貪欲でとても素晴らしいことだと思う。マジすげー!といつも思う。

さて、Webサービスを作るというのは一体どういうことなんだろうか。
自分も仕事としてWebサービスを提供する側にいるけれど、正直に言って個人でサービスを作って
提供しようというモチベーションは無い。予算があり、納期があり、そもそも企画を通すために会社の
承諾をえる必要があり、それをするには企画の必然性と展望とをプレゼンしなければならない。
一言でいってしまうとそれは制約だ。そしてその制約というものがとても大事だと思う。
「はい、好きなように作っていいよ。何をしたっていい。自由にどうぞ」と言われても、何も生み出せない。
企画が生まれてこない。自分のようなタイプは、まっさらな大きな画用紙だけを渡されても何も書けない。
A4の紙と8色のクレヨンくらいもらえないと最初の1本の線すら書けないと思う。

だが、yusukebe氏をはじめとする個人で活躍しているWebサービス提供者というのは、無から生み出す
ことが出来る人達だと思う。気づいた時にはA4なんかじゃ足りないくらい、大きな絵が頭の中に渦巻いて
それを形にしたくてウズウズしているんだと思う。そういった意味で、人は果てしなく自由だけど
自分の場合は自由とは制約の中にこそあってほしいので、なんというか、難しいものだ。
「これは不便だからこうなったらいいな」と思うことはあるけど、枠の中で頑張ったり、ニーズありきで
何かをスタートさせるということ以外で、ゼロからというのは自分には向かないなとつくづく思う。


子供の頃、本を読むのがとても好きだった。親父が買い与えてくれた歴史の漫画は熱心に読み込んだし
小学校の図書室に行くのが好きだった。この部屋にある本を全部読んでやるぞ!そう思っていた。
しかし、小学校4年生くらいの時に学校の近くに図書館が出来た。とても立派な市立図書館。
そこには沢山の本があった。膨大な、と形容していい量だった。絵本だけでも数百冊。児童書もかなり
ラインナップが充実していた。大人向けの様々なジャンルの本にいたっては、子供の背丈よりも遥かに
大きい本棚にギッシリと詰め込まれ長い廊下の先まで本棚は続くほどだった。
「こんなに沢山の本があるなんて夢のよう!!」とは思わなかった。「こんな量は読み切れないや」と思った。
文字通りその場に立ち尽くした。それはもう本当に今までの気持ちがプッツリと途切れた。
図書室くらいの大きさで、目の前のものまでが自分の世界で、それを読み切るまでがゴールだと思ってた。
それが人口3万程度の田舎にある図書館でさえこんな大量の本があって、これがもっと都会なら更に多い。
そんなの自分には手に負えないなと思った。まぁ、手に負えるわけはないのだけど。
その時にきっと自分は、自分の限界を感じたんだろうと思う。絶望ってやつだと思う。

今でこそ「そんなことはない。限界は自分で作るものでしかない」とは思うけど、何かこう、自由すぎる
環境を見たりする機会があると、この田舎の図書館を思い出し、あの時の絶望を思い出す。

自分はエンジニアが集うイベントの運営もしているし、仕事柄エンジニア達と色々と話す機会も多い。
だけど、上記のような理由もあって、自分でやろうと思ったことはない。


この本はエッセイらしい。
パラパラとめくってみたけれど、エッセイというわりに技術的な内容(というかコードが見えた)らしい。
どういうことなんだろう。エッセイってなに?

そういうわけでまだ本は読んでいないけれど、この本を読み終わる頃にあの図書館の絶望が
何かの希望に変わるといいなぁという期待を込めつつ読み始めてみようかなと思ってる。
うまくいったらWebサービスを出すと思うので、出したら成功、出なかったら妄想の図書館の前に
立ち尽くしていると思っていただければと思います。

献本、ありがとうございました。




Webサービスのつくり方 ~「新しい」を生み出すための33のエッセイ (Software Design plus)
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